ボケの進行はストレスも影響《ウソなの?ホントなの?》Vol.2

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記事提供:読むサプリ出版「新よむサプリシリーズ」
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ボケている人は
ボケていない人に
比べてが軽い

一般に60歳以降になると脳は軽くなっていく。脱髄といって、神経の鞘の部分がやせてくるからだが、それとボケとは直接関係はない。ただし、ボケている人の脳は老化が激しく脱髄もより多く、また神経細胞の壊死もあり脳の容積が小さくなっている。よって、普通の人と比べ軽くなっている。

脳の重さ(大きさ)は人の成長に伴うが、早い場合は10代で、遅くても20代の前半でほぼ完成するが、脳の働きは重さとは関係がない。脳の重さを平均値でみると、成人男性でおよそ1450グラム、女性で1250グラムだが、重い分だけ男性が賢いということはない。

脳はいろいろな経験をするほど、脳の神経細胞どうしをつなぐ神経線維(シナプス)の数が増す。結果、情報の伝達機能はアップし、脳内ネットワークが広がる。それが脳の働きがよくなるということ。脳の機能は神経細胞の数とネットワークの数の両方によって支えられているということになる。

かつてヨーロッパからアジアにかけて勢力を誇っていたネアンデルタール人は1500ないし1600グラムと我々より大きい脳を持っていた。ネアンデルタール人が文明を築けず、我々の祖先が文明を築けたことは決して脳の大きさだけの問題ではないことを示している。余談だが、これ以上の脳の増大は、骨盤の大きさから不可能だそうだ。

20歳を過ぎる
脳の成長は止まる

 

脳の成長を大きさで測ると、5〜6歳で容量的には大人のそれと大差がないまでに成長する。そして15〜16歳でほぼ成長は止まる。
脳の神経細胞は複雑に絡み合い、いわば情報伝達のネットワークを構成し、それによって本来の脳の働きがなされている。脳の神経細胞は1500億個、そこからそれぞれ1/1000本のシナプスが伸び、都合60兆通りの組み合わせとなる。だれ一人同じ人間がいないのはこのためである。

脳の神経細胞の数が減少しても、ネットワークとしての機能が働いていれば、脳は正常に働く。「記憶力」の最も活発なのが20歳前後であるが、「総合的な判断力」となると70歳頃がピーク。そういうとみんな驚くが、政治家の中でも隠然たる実力者と呼ばれるような人はだいたいそのくらいの年齢だ。

このことは脳の働きは細胞の数だけでなく、ネットワークとしての機能の広がりも重要だということを示している。脳の神経が日々猛烈な数で減少しているからといって脳の働きが衰えると悲観的になるよりも、積極的に新しいことにチャレンジすることによって脳に刺激を与え、海馬細胞を増やしネットワークを広げることが脳の活性化につながり、痴呆を防ぐことになる。

 

ストレスがボケの症状を
進行させる

ストレスがボケを引き起こしかねないことは本論でも述べた。ここでは痴呆の人の場合を問題にする。家族の間にボケている人(おじいちゃん、おばあちゃん)がいるときに、その人の扱いには気をつけなくてはいけない。

確かにボケ老人は周囲を何かと混乱させるが、そのつど叱ったり、何度言ったらわかるの! などというのはもってのほか。ボケているのは認知障害による判断力がないからで、感情はもちろん知的能力の大半は持っている場合が多い。

叱ったり、厳しく注意するのはかえって、相手を困惑させ萎縮させることになり、それがストレスになりいっそう症状を悪化させることになる。何か間違ったことを言ったりしたりするたびに、無理に間違いを正そうとするのは逆効果で、相手のプライドを傷つけないよう良き理解者として振る舞うことが大事だ。

○介護する家族の方のポイント○

●一人で悩まず仲間をつくること
●できる限り今までの生活ペースを守る
●家族による介護には、
正しい介護も間違った介護もない
●こだわらずに柔軟な考えを持つ
●介護者の健康管理をする

長谷川和夫監修「老年期痴呆診断マニュアル」日本医師会発行より

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