ストレスがあると掻きたくなる《ウソなの?ホントなの?》

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記事提供:読むサプリ出版「新よむサプリシリーズ」
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ストレスがあると
掻きたくなる

近年では、特にアトピー性皮膚炎の掻破行動においてのメンタル的な要素が着目されている。成人型アトピー性皮膚炎においては、情動ストレスによる掻破行動がクセとなり(嗜癖的掻破行動)、皮膚症状が悪化を繰り返す悪いサイクルに陥ってしまうことが重要視されている。もちろん、小児の場合でも心理的な痒みが無視できないことも多くなっている。
アトピー性皮膚炎の悪化や再発には、心理的ストレスが原因のものが50%程度あるといわれている。
痒いから掻くというより、「掻いている」という自覚があまりなくなり、逃避行動として行われていることが多いとも考えられる。だが、心の状態と免疫機能や内分泌機能は密接に結びついているため、体内の免疫物質やホルモン動態の変化が、掻破行為に関係しているという報告もあるのだ。
いずれにせよ、このようなメンタルケアが重要と考えられる患者さんの治療においては、精神科医との連携が有用な場合もあり、これを積極的に行なっている施設もある。

 

 

乾燥肌
アトピーに
なりやすい

小児期のアトピー性皮膚炎では、特に皮膚角質層のバリア機能の生理的な低下から水分を保つ力が弱くなり、水分が蒸散する量が多くなっていく。そのため、カサカサ肌になりやすくなるのだ。
カサカサ肌は、痒みの刺激に弱く、各種のアレルゲンも侵入しやすいため、掻くことの原因になってしまう。したがって、乾燥肌はアトピー性皮膚炎の1つの重要な特徴と言えるだろう。
しかし、少し肌がカサカサする程度で、あまり激しい痒みが起きることがなく、ベーシックなスキンケアだけで十分に普通の状態が保てる人を、「アトピー性皮膚炎」と言ってしまうのは、明らかに行き過ぎである。

 

○痒みのメカニズム○

 

「痒み」のメカニズムは完全には解明されていない。皮膚において痒みを伝達する末梢神経はC線維と呼ばれるもののうち、特定のものであることが1997年に明らかにされた。この線維は代表的な痒み物質であるヒスタミンに対して反応性が高い。
ヒスタミンはよく知られる代表的な痒み物質で、マスト細胞と呼ばれる細胞から放出される。マスト細胞はヒスタミン以外にもさまざまな生理活性物質を放出し、直接的・間接的に痒みに深くかかわっている。
それ以外にも神経ペプチドと呼ばれる物質の関与が考えられており、なかでもサブスタンスPというものが重要視されている。ヒスタミンがC線維を介してサブスタンスPを放出させ、さらにこのサブスタンスPがマスト細胞を刺激し、ヒスタミンを放出させているようである。
このように痒みはさまざまな物質が関与した複雑なカラダの反応であり、今後の解明、それに基づく安全で有効な痒み止めの開発が期待される。

 

お酒で痒みがひどくなる

アルコールは血流をよくするため、痒みの強い時に飲むと、さらに痒みはひどくなると思っていいだろう。結果、掻いてしまい、症状を悪化させることにもなってくる。
ただ、成人型アトピー性皮膚炎のストレス的側面から考えると、あくまでも嗜好品を「適度に」摂取して、ストレスを和らげることにつながるのなら、よいとも言えなくはない。
医師の立場から、飲酒を積極的にすすめるわけにもいかないが…。

 

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[記事提供:株式会社読むサプリ出版]